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カラベリ
Caravelli (1930- )

カラベリの名で世界に知られたクロード・ヴァゾーリは、1930年9月12日、パリのモンマルトルに生まれました。母はフランス人、父はイタリア人。ピアニストの母親にピアノと和声学を習い、その後パリ音楽院でクラシック音楽を正式に学んでいます。1950年、シャンソン歌手の伴奏者としてプロデビューを果たしました。

世界各国を巡業中にフランス音楽界の重鎮、レイ・ヴァンチュラに認められ、「カラベリとマジック・バイオリンズ」を結成。1964年にCBSフランスレコードと契約を交わし、「カラベリときらめくストリングス」と改称。さらに1977年、現在の「カラベリ・グランド・オーケストラ」となりました。

以後、数々のヒット作を世に送り出しました。特に1アーティストの楽曲のみで構成するアルバムが好評で、 「サイモンとガーファンクル」や「アバ」など数多くのアーティストをとりあげています。 作曲家としても力を発揮し、特に1973年に発表されたフランク・シナトラのカムバックの名曲「愛をもう一度」は世界的大ヒット。

日本との関わりも深く、1972年以来の度重なる来日公演に加え、FM東京の「ジェットストリーム」のテーマ音楽「ロワールの星」を作曲。またホンダ・プレリュードや明治・チェルシーのCM音楽にも関わりました。さらに、松田聖子の楽曲を集めた「カラベリ・プレイズ・聖子」を発表するなどして、高い評価を受けています。

「カラベリ・グランド・オーケストラ」の透明で美しい“きらめくストリングス”は、他の楽団の追随を許さないといっても過言ではありません。奇をてらわないシンプルなアレンジと演奏は、肩の荷が下りるようなサウンドとして、時代や世代を超えて大きな支持を集めています。

(文章監修、資料提供/カラベリアンさん)

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ショパン三世のミニ評

まさにきらめくばかりの流麗なストリングス。その明朗なカラベリ・サウンドは、マイナーな曲調でも心地よい。

ピックアップ

ザ・ベスト・オブ・ベスト
3枚組のベスト盤だが、選曲が群を抜いて良い。コンサートのオープニングテーマとして有名な「弦のファンタジー」やフランク・シナトラの歌でヒットとなった「愛をもう一度」など、おなじみのオリジナル曲から、カラベリ流の「オリーブの首飾り」、「アローン・アゲイン」、日本のヒット歌謡曲、ジュディ・オングの「魅せられて」のカバーなど、貴重な音源が多く収められています。
(投稿:カラベリアンさん)

作品鑑賞

寄稿:カラベリお薦めの一曲

TU SAIS JE T'AIME (You know I love you)
フランス盤LP “PORQUE TE VAS” (1976:CBS 81729) B面の第3曲目。とても明るく爽やかなアレンジでカラベリらしい軽快な演奏。曲名と同じフレーズを女性コーラスが控えめに歌い、それが何とも心地よい。ちなみに、表題曲も好演。この時期のカラベリは見事で、同じくフランス盤 “MICHELE” の中の “CHARLIE BROWNS”(ルフェーヴルは “愛しのチャーリー・ブラウン” の邦題で日本盤で発表)も同じく最高。残念ながら2曲とも国内未発で入手困難。
(投稿:カラベリアンさん)