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フランク・チャックスフィールド
Frank Chacksfield (1914-1995)

「ひき潮」の名演奏で世界にその名を知られたフランク・チャックフィールド。 ゴージャスでエレガントなムードに溢れたサウンドは、時代を超えて今もなお新鮮さを保ち続けています。

フランク・チャックフィールドはイギリスのサセックスに生まれ、7歳からピアノを習い始めました。 名門音楽学校のトリニティ・カレッジ・オヴ・ミュージックで音楽理論を習得し、教会のオルガン奏者をしながら、ダンスバンドを結成。 第二次世界大戦後はBBCのラジオショーを手がけ、 1948年からはポップス・アーチストのバックを務めるようになり、次第に作曲家、アレンジャー、さらにオーケストラ指揮者としての名を高めていくのです。

1951年に初のシングルレコードを発表するや、彼のサウンドは「歌うストリングス」と称され、一躍人気を博しました。1953年には、重厚な弦セクションを有するオーケストラを結成。それがフランク・チャックフィールド楽団です。いつしかアメリカでも人気が高まり、テレビやラジオの音楽番組にしばしば招かれました。多作で知られ、何と150を超えるアルバムを発表したといいます。

日本へは1972年に楽団と共に訪れ、 16日間に12都市で15ものコンサートを上演。またテレビやラジオ番組にも出演し、ファンを喜ばせました。

晩年はパーキンソン病との長い闘いの末、81歳でこの世を去りました。

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ショパン三世のミニ評

私にとって、フランク・チャックフィールドの音楽は、心の中をきれいにしたい時の特効薬だ。

ピックアップ

Thanks for the Memories
「コンチネンタル」(1934年)から「慕情」(55年)まで、アカデミー主題歌賞に輝いた22作品がカヴァーされています。丁寧でダイナミックなアレンジと緻密な音作りのなされた素晴らしいサウンド。ゴージャスなストリングスが光った逸品ばかりです。筆者が最も印象的だったのは「星に願いを」。

お薦めの一曲

ひき潮 (Ebb Tide)
ムード・ハープの先駆、ロバート・マックスウェルが作曲し自演したもので、イージー・リスニングのスタンダードになりました。マントバーニやフェイスも名演奏を残していますが、チャックフィールドの華麗で美しいサウンドはダントツ。新録音盤ではカモメたちの声、打ち寄せる波の音がSEとしてミックスされています。

作品鑑賞