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ヘンリー・マンシーニ
Henry Mancini (1924-1994)

ヘンリー・マンシーニは、重厚さを競ってきたハリウッド映画音楽界に、やわらかな新風を吹き込んだフロンティアです。 「ティファニーで朝食を」などの名作を次々に傑出。幅広い年齢層からの絶大な支持を得て、ミュージック・シーンに大きな一時代を築きました。

イタリア系アメリカ人のマンシーニはオハイオ州クリーヴランド生まれ。幼い頃からピアノとフルートの英才教育を受け、ジュリアード音楽院に入学。ジャズに傾倒し、テックス・ベネキーに作品を認められるまでになります。その後、グレン・ミラー楽団にアレンジャー兼ピアニストとして採用されました。

1952年、ユニヴァーサル・スタジオに入社。ホラー映画やコメディーなどの劇伴を手がけたのち、ブレーク・エドワーズ監督と知り合い、ハリウッドに本格進出しました。1961年、オードリー・ヘプバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーン・リバー」が大ヒット、マンシーニの名は一躍世界中に知れ渡りました。 以降、完成度の高い名作品を続々と世に送り込み、アメリカ屈指のコンポーザーとして不動の地位を得たのです。

映画音楽と並行して、イージーリスニングのアルバムも数多く手がけ、1969年に発表した「ロミオとジュリエット」が全米ヒットチャート第一位に輝いています。

時に優しくユーモラスに、時に美しく叙情にあふれ、時にシャープでクールに…。 柔軟な編曲や楽器編成、聴き手を楽しませる徹底した音作り。彼のその姿勢と作風は、第一線で活躍するプロ・ミュージシャンたちをも魅了し続けています。

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ショパン三世のミニ評

何しろ、音作りに手抜きがない。音符の一つ一つを大事にしているのが伝わってくる。だからどこまでも感じがいい。

ピックアップ

ベスト・オブ・ヘンリー・マンシーニ
ヘンリー・マンシーニがRCAで吹き込んだオリジナル15曲にカバー5曲を加えたベスト・アルバム。基本的なところがしっかり押さえられた入門編といったところ。

作品鑑賞

お薦めの一曲

ムーン・リバー (Moon River)
映画「ティファニーで朝食を」の主題歌で、劇中でオードリー・ヘプバーンが弾き語りをして話題になりました。作詞ジョニー・マーサー、作曲はもちろんマンシーニ。初めは映画会社の理解を得られなかったようですが、この歌に共鳴したオードリーが採用を強く望んだということです。3/4拍子のシンプルで透明なメロディー。生命の輝きに満ちたスタンダードです。1961年度のアカデミー主題歌賞を受賞しています。