イージーリスニング・ナビ

ミシェル・ルグラン
Michel Legrand (1932- )

作曲家、アレンジャー、ジャズピアニスト、指揮者、歌手、俳優、映画監督…。ミシェル・ルグランほど多才な人も珍しいでしょう。オーケストラ指揮者で、映画音楽の作曲でも知られたレイモン・ルグランを父に持つ恵まれた音楽環境に育ちました。

わずか4歳で作曲家を志し、 11歳でコンセルバトワールに入学し、20歳の時に主席で卒業したといいます。在学中から有名歌手のバックを任され、卒業後すぐにフィリップスと契約してミシェル・ルグラン楽団を結成。58年にはマイルス・デイヴィスなどの大物とビッグバンド・アルバム「ルグラン・ジャズ」を録音、大きな注目を集めました。その後、映画「シェルブールの雨傘」の美しい音楽で人気沸騰。ハリウッドからもお呼びがかかり、映画「華麗なる賭け」でアカデミー主題歌賞を受賞。

イージーリスニングには70年代後半から取り組み、セルフカバー盤「ブライアンズ・ソング」のほか「20ソングス・オブ・ザ・センチュリー」、最近では「ハッピー・ラジオ・デイズ」といった作品を数々生みました。

来日公演は1972年から行なっていますが、特筆すべきは、オーケストラ、ジャズバンド、ジャズトリオなど、来るたびにミシェル・ルグランの演奏スタイルが変わっていることです。

2000年、ヘンリー・マンシーニ・アワードを受賞。ミシェル・ルグランはこんなコメントを寄せています。"Henry Mancini was my friend, my mentor, my big brother. "(ヘンリー・マンシーニは私の友人、師であり、兄でした)

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ショパン三世のミニ評

ルグランのパフォーマンスは自由自在。いくつもの音を様々に重ねて合わせて操る、まるで魔法のようなサウンドだ。

ピックアップ

トゥエンティ・ソングス・オブ・ザ・センチュリー
ルグラン自ら「3本の指に入る自信作」と述べた、画期的オーケストラ・アルバム。彼のお気に入りスタンダードが20曲収録されています。単なるイージーリスニングに終わらず、随所に前衛的試みがなされているのですが、妙に納得させられてしまうので不思議です。聴いてびっくり「玉手箱」といった感があります。

お薦めの一曲

シェルブールの雨傘 (Les Parapluies de Cherbourg)
セリフが全部歌になっているフランス映画「シェルブールの雨傘」の主題歌。16小節の短いメロディーですが、どこまでも美しく、センチメンタルなムードに満ちた名曲です。イージー・リスニングの、どのオーケストラにも欠かせないレパートリーといってもよいでしょう。英語詞がついて、「I Will Wait For You」というタイトルでも発表されています。

作品鑑賞