トニー・ハッチ
Tony Hatch (1939- )
トニー・ハッチは60年代からイギリスのポップスをリードしてきたソングライターであり、数多くのアーチストを世に送り出してきた名プロデューサーです。その天才的な活躍ぶりから、しばしば「イギリスのバカラック」と称されます。
イギリスのミドルセックスに生まれ、ピアニストだった母親の影響で4歳からピアノを習い始めました。10歳で聖歌隊を指揮し、賛美歌を作曲するなど神童ぶりを発揮。18歳で作曲した「星を求めて」は、映画に使われるなど国際的大ヒット。兵役中は軍楽隊でアレンジャーとして活躍しました。
程なくパイ・レコードと契約。サーチャーズやデヴィッド・ボウイなどに作品を提供し、数々のヒット曲を生み出しました。ペトゥラ・クラークの「恋のダウンタウン」は全米NO.1に輝いています。また「コール・ミー」は世界中の歌手がカヴァー。
60年代半ばからはオーケストラを率いて、軽快で洒落たイージー・リスニング・アルバムを連発。70年代からは映画やテレビ番組の音楽次々に手がけました。現在は若き新妻とスペインで暮らしながら、尚も意欲的に創作を続けているようです。
爽やかでおしゃれなソフトロック、そんな形容をしたくなるトニー・ハッチのサウンドは、時代を超えて、心の中に春風を送り込んでくれます。
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ショパン三世のミニ評
屈託のない明るさが、どのサウンドからも澱みなく伝わってくる。ハッチのピアノタッチがまた軽やかで魅力的。
ピックアップ
● The Essential Tony Hatch
ボックスセット・ベスト。入門的なまとまりのある構成で、1枚目はトニー・ハッチ・オーケストラによる演奏、2枚目はアーチスト歌唱によるハッチ作品集、3枚目はハッチの手がけたTV番組等のテーマ曲集。一部古い音源もありますが、あたりの良い、洒落たサウンドを堪能できます。